2012年02月10日

バックパッカーへと誘う本

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バックパッカーとは旅の最終形態と思う。
長期の社会離脱と無収入、多額の旅行軍資金と安全・健康リスクにさらされる。
興味のない人から見たら狂気の沙汰としか言い用がないだろう。

バックパッカー計画を話すと8割くらいの人に「なんでまたそんな事するの?」と言われる。(残り2割は信じてくれない・・・)
物質的な恩恵や利益が何一つ想像されない旅は、無目的な現実逃避とも捉えられるかもしれない。

そもそも日本人は『極東』という立地と四方を海に囲まれた島っ子であり、世界一安全で高い道徳と正確すぎるシステムの中で生まれ育った。さらにほぼ単一民族で構成されており、100%現地語、外国人の流入も少なく、他の血との遭遇がない。

当方は中国山地と日本海に囲まれた『魔境要塞;島根県』生まれのため都会人すら会うことがなく育った。

うちの祖母もベトナム旅行の際に「あんな野蛮な国に行くのはやめんさい!」とまるでベトナム戦争が未だ継続中であるかのように説得にかかってきた。
実際のベトナムはたしかにキレイではなかったし、詐欺師や嘘つきもいたのはいたがイメージしていた程でもなかった。

日本人の旅とは「連休ごった返しの中での名所巡り」である。
ゴールデンウィーク期間中のように混むとわかっていても行かざる負えない。
休みがないからだ。
欧米では長期の休みが保証されており、飛行機のアクセスも良いためちょくちょく海外旅行に向かう。(ドイツ人とか)

無目的な放浪で未知なる恐怖の待つバックパッカーは理解されづらいと思う。

特に最近は若者の旅行自体かなり少なくなっているという。
というより、海外との交流すら少ないようだ。
アメリカへの留学生は、バブル前はほぼ日本人だったそうだが、今は殆ど韓国人と中国人らしい。

それに加えて不況で老後どころか明日のことまでわからない。もちろん会社を休めるどころではない。
冒険がしにくい時代になってしまった。

そこには何でもネットで調べられるため何となくわかったような気がしてしまうことや、失敗や恥をフルボッコにしてしまう昨今の社会情景も原因であると思う。


まあともかく今の日本人は冒険ができない寂しい時代に生きている。
しかし昔は違う。バックパッカー黄金時代があった。
あの高度成長時代。働いて働いて働いていた時代に突如現れた「バックパッカーブーム」は一冊の本より起こされた。




何でも見てやろう

海外旅行がやっと浸透してきた時代。
初めてバックパッカー旅行を題材にしたと言われるまさにバックパッカーの教科書である。
放浪とその日暮らし、大法螺を吹き、友人を作り、政治を語り、何もしなかったり・・・・
これは世間に衝撃を与えた。バックパッカーが日本に根づいたのだ。
一人で旅行会社を通さない失敗だらけの旅でもカッコイイじゃないか!と閃かせた。





深夜特急

そして深夜特急。
言わずと知れた革命本。
働き盛りの26歳が1年以上にわたるユーラシア放浪、遠路2万キロ彼方のロンドンまでをバスや列車を乗り継いで向かった。
これは大反響を呼び、沈没者を世に呼び起こし、時代に逆行すること布教した。


この2つはバックパッカーの教科書。謂わばバックパッカー小学校1年生が読まされる聖書だ。


ここからは当方をこんな非社会人化してしまった禁断の麻薬本。
※ここから下の記事を読まれて非社会人化されてしまっても一切責任はとりません。








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青春を山に賭けて





極北に駆ける

植村直己。登山家というイメージが先行している。
たしかに日本人で初めてエベレストを落とし、世界初の5大陸最高峰制覇した日本登山史に名を残す巨人だ。

しかしこの御方、かなり温和に見えるが恐ろしい行き当たりばったり・・・
日本をドロップアウトしてわずかな金でアメリカへ。金が無いので農場で違法に働きあわや強制送還
フランスでスキー場に転がり込みバイト生活。しかもフランス語全く喋れず。黄疸でぶったおれ迷惑をかける。
その後、アルプスやアフリカ、南アメリカの山々を登った。そしてなぜかアマゾン川を筏で下り始める。現地人に襲われそうになったり、流されそうになったり・・・
エベレストに登った後も今度はグリーンランドで住み込みで犬ぞりを見習う。現地の生肉食やグロイ食べ物も順応し家族のように暮らす。そしてグリーンランド横断。。。。

最後も山で死ぬが休む間もない冒険の数々、失敗の方が多かったし、バカにされることもあったが全く気にせず気づけば周りを取り込む人間力。

次から次に目的を達成させ、そのあと新たに生まれた目的に向かう。
決まりきった概念を振り向くことなく一歩一歩自分に向き合って生きていた。
植村直己は後悔なく死んだはずだ。
真っ当に生きることが真っ当であるが、その真っ当とは何かを教えてくれる偉人である。




次はこの男。
ジョン・レノン曰く「あのころ世界で一番かっこいいのがエルネスト・チェ・ゲバラだった」
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カストロと共にキューバ革命を成功に導いたチェ・ゲバラ。
アルゼンチン人であるが、南米の悲惨な貧しさと矛盾を自らの目で見て、革命に立ち上がった男だ。
最後も理想のために殺された。理想を追い求めるだけでなくそれを実現させようとした。




チェ・ゲバラの遥かな旅

ゲバラを知りたい人に。入門編。これを見てやられてしまった・・・


その「自らの目で見て」とは大学生の時に先輩アルベルト共にオンボロバイクで飛び出した南米見聞記。



モーターサイクル・ダイアリーズ
モーターサイクル・ダイアリーズ [DVD]

映画にもなった。

アルゼンチンからチリを回って、ペルー、ベネズエラへの1万km、6か月の旅。
その中でアルゼンチンでは裕福な家庭に生まれたゲバラは衝撃を受ける。
圧倒的な貧しさ。抜け出せることのない地獄を見た。
チリの銅山で出会った貧しい夫婦やハンセン病患者のコミュニティ。
アメリカや自国の政府に搾取される民衆を目の当たりにし、生きる意味を見出した。
それがキューバ革命につながる。

貧しさや差別のない理想の世界をつくるため、全く関係ないはずのキューバやコンゴ、最後の地ボリビアでゲリラとして戦った。
これはすべて大学時代の旅行が彼を創り上げた。
実際に自分の目で見て、匂いを嗅いで、歩いてみなければわからないこともある。そう思った。


まあこの2人のように立派な旅にしようとも毛頭ない。ただの憧れだ。
しかし、旅をすることでしか見れないものがあるのだと思ったわけだ。
自分探しとか生きる意味を探すとかいう陳腐なものではない。
凝り固まった頭にいろんな刺激を加えることで、もっと広い自分の世界で生きれるのかもしれない。
実際にやってみるということは失敗や恥をかいたり、泣いたり怒ったりするかもしれないがとにかくやってみたい。と思うのであった。

ということで僕がおかしくなったのもこの本を読んで『知って』しまったがためなのです。
たった3カ月ちょいの予定だが、得るものは大きい旅にしたい。

posted by 小太郎 at 23:58| Comment(2) | バックパッカー入門本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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